『天気の子』を観た

まず、この3日間、この前、死んだ父の遺品やマンションを整理するために京都から離れていることと、思い出が詰まったマンションが今日明日で二度と来ることがなくなるだろうということ。また事情を考えると今年絶対卒業して、絶対就職しなければならないし、そのタイムリミットが刻一刻と迫っているという状況が普段とは違うということを踏まえた上で、『天気の子』の感想を書きます。

添削無し推敲なし書き直しなしの恥ずかしい文書が出来上がること覚悟で。

冒頭から「あの日、僕達は世界を決定的に変えてしまったんだ」から始まるのがずるいよな。

僕が大学でのモラトリアムを謳歌している間にする妄想は中高生と変わらない、あの作品の主人公になれたらな、急に世界に終末が訪れないかな、とかばっかりで、全然大人じゃない子供の妄想で、将来の不安とか先々の問題を妄想で誤魔化して、そのまま寝て忘れる、そういうサイクルだった。

ネタバレになるけど、『天気の子』は、家出少年が東京に出てきて、そこで不思議な力を持つ少女と出会って、恋して、世界と少女を天秤にかけられて(少年にとっては世界は天秤にすら乗ってなかったが)、少女を選んで世界を滅ぼすという物語だ。

ここで前に書いた妄想が、そうなればいいなという妄想が、この作品に多く含まれているのがとても辛い。
現実から逃げる形で飛び出した先で、特別な体験と大恋愛をして、成就した上に世界まで滅ぼすことが出来るのはもう羨ましさの頂点にある。

そしてすごく虚しい。少年と少女以外の人間にとって、世界の滅びはただの自然現象で、時間の経過に過ぎないし、周りの大人はやることやって就職して普通に働いているのが本当に虚しい。

滅びへのリアリティというか、僕が望んだ終末は人が消えて誰もいないし何も考えなくていい、死んでも生きても誰も何も思わない世界が欲しかった。
もし僕が人知れず世界を滅びの道に進めたとしても、就活して就職しないといけないんだろうな、みたいな現実をめちゃくちゃ突きつけられた感じがしてもう憎たらしくてしょうがない。

で、ラストシーンでは、少年が大人に「世界を変えたわけないだろ、自惚れるな」って言って夏の夢みたいな感じで終わるのかと思ったら、少年と少女が坂上で出会って少年が「いや、絶対僕達は世界を変えた」って言って抱き合ってエンドロールなもんだから、もう苦しくて。僕はこの少年にはぜっっっったいになれないって思わされてしまった。

良かったのは、いつもの京都じゃない所で観れたというところ。外に出ると馴染みのない繁華街だったのはとても良かった。そこで何とか特別な体験だったことで少し心が耐えた。

タクシー中では兄に将来のことを話されてもう心臓がバクバクするし、マンションに帰ってシャワー浴びてる時も心がグルグルして不安だらけだし、もうMARVEL映画見た後のワクワクとかスカッとした気持ちとかは微塵もないし、モヤモヤしか残らないからもう嫌嫌嫌!!!帰ってゲームしたいわ!!

映画自体は面白かったけど

明日も片付けて早く起きないとダメなのにソワソワして全然寝れる気がしないし、就職しないといけないし、明日さっさと帰れればいいのに、結局ゆっくり帰ることになったし、バイトしないと金がないし、お父さんは死んでるし、もうね。
こんな気持ちを保存して、いつでも読み出したりすることが出来たらいいのに、どうせ今から寝たら忘れるだろうし、鬱になって逃げることも出来ない、自分の生きやすい性格がどうしようもない。

あーほんと最悪。ゲームしたい。彼女も欲しい気がしてきた。YouTube見て寝る。