神様の試練
電車に乗って竹田から今出川まで大学に向かう途中、僕は座席に座っていた。
すると、そこにベビーカーを押し赤ちゃんを抱くお母さんとおばあさんが乗ってきた。
きっと勇気があるなら、そこでその家族の誰かに席を譲れただろう。
でも僕は迷って迷って、挙句家族は電車を降りていった。
つり革に掴まるお姉さんが、肩にかけたバッグから何かの包装をポロリと落とした。
きっと勇気があるなら、 声をかけてそのゴミを落としたことを伝えたら、きっと、お姉さんは拾って持ち帰るだろう。
でも僕は迷って迷って、挙句お姉さんはゴミに気づかず電車を降りてしまった。
2人で楽しそうに話す女の子たち。
その女の子の足元に1匹の小さい蜂がウロウロしていた。
蜂は女の子のサンダルを登り、かかとを登り…。
きっと勇気があったなら。